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ウォーター・ロード

寄稿エッセイ:2007 年 4 月 9 日
佐武清志 (エコカフェ正会員)

千鳥が淵の桜も散り始めた晴天の週末に、一人まだ咲いている桜と滝を見たくなり、あてもなく中央線に飛び乗った。リュックには、水道水を詰めたペットボトル、おにぎり、中身 3 千円の財布、携帯ラジオ、防寒着。奥多摩駅まで約千円。目的駅は決まった。

久々に乗る中央線は新車両ということもあり、広々として明るく、中野、吉祥寺、昭島と目的地に近づくにつれ花いっぱいの桜が窓越しに見える。10 時前に奥多摩駅に着いたところで、観光案内所に入ってみると、『百尋の滝』 という滝があるとのこと。見てみたい!!

一人旅は、このように無計画にその場の雰囲気でコースを自分のコンディションや備品を見て決められるのがいい。もちろん、ある程度の時間まで帰れるようにコースは慎重に決めていくのであるが。近くのお店で予備食料と 『○○○天然水』 という都内採水のミネラルウォーターを買い、周辺の散策とお風呂などの情報を収集し、11時発の東日原行きのバスに乗る。

15 分ほどで川乗橋のバス停で下車。舗装された渓谷沿いの立派な道をしばらく歩いたが、しばらくすると山道へ。ほとんどが斜面沿いの細い道で、エコカフェ山の会のメンバーやボーイスカウトの子供達と一緒なら楽しめそうなコース。静かな渓谷に足音と水の流れが聞こえる。

百尋の滝

バス停から歩き始めて1時間半、目的の 『百尋の滝』 に到着。途中にいくつか滝を見たが、その大きさは桁違い。目には見えないが、滝から大量のマイナスイオンが発せられているように感じ、癒される。滝の前で簡単にお昼をとることにした。
持ってきたおにぎりとペットボトルの水、買ったミネラルウォーターを取り出す。持ってきた水は、非常用に冷凍庫で水道水を凍らせておいたものだが、ほぼ融けて買った水と温度はさほど変わらずどちらも冷たい。おにぎりをバクつきながら2本の水を飲み比べる。「…どちらも旨い。」 確かに水の繊細な味わいの違いが判らないのかも知れないが、同じように感じる。(冷たい水が、おいしく感じるのは舌の感覚を奪うからかも、常温で飲み比べれば違いは判るはず) そう思い、2 つの水を持って川乗山山頂方向へ。お風呂に入るため鳩ノ巣駅方向へ下山。3時過ぎた頃、再び腰をおろして休憩。先ほどの水を取り出し飲み比べ。「…微妙にミネラルウォーターがおいしい!」 東京の水道がおいしくなったと言われているが、結構飲めるものだ。

東京都水道局の看板
東京都水道局の看板

水に感心してあたりの森林を見ると東京都水道局の看板に 「この附近は東京都のみなさんの飲み水となる水道の水源地です。」 と書いてある。と、そこに雨が降ってきた。この雨が巡り巡ってミネラルウォーターにも水道水にもなるのだ、小学生の学習内容を復習した。

植物も、人間を含む動物も水がないと生きていけない。下山中にラジオで国際会議において温暖化による水不足などによる死亡率の増加の恐れがあると予測し、対策を求めたというようなニュースを聞いた。今日温暖化は、日常的なキーワードとなっているが、その中でも水を大切にすることは、大げさだが命を慈しむこと、酒の一滴は血の一滴という言葉があるが、水の一滴も同じだと思う。

雨に濡れながら下山後、鳩ノ巣駅近くでお風呂に向ったが、既に目的の入浴施設は終わっていた。入浴できなかったが、百尋の滝による癒しと水について考えるという機会を得られた貴重なハイキングだった。

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